ロシア野党指導者暗殺から9年=侵攻反対、献花絶えず 2024年02月28日 15時03分

27日、ロシア・モスクワで、野党指導者ネムツォフ氏の暗殺現場に献花する人々(AFP時事)
27日、ロシア・モスクワで、野党指導者ネムツォフ氏の暗殺現場に献花する人々(AFP時事)

 ロシア極北で収監中に死亡した反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の盟友で、同国による2014年からのウクライナ軍事介入を批判した野党指導者ボリス・ネムツォフ元第1副首相が凶弾に倒れてから27日、9年を迎えた。暗殺現場のモスクワのクレムリン(大統領府)に近い橋では花を手向ける人が終日絶えなかった。
 支持者が「殺害」と主張するナワリヌイ氏の死後、事実上の「合法デモ」としてソ連時代の政治犯追悼碑に献花する動きが全土に広がり、拘束者も出た。禁錮19年の判決を受けて投獄された同氏とは異なり、ネムツォフ氏は「犯罪者」に区分されておらず、献花は問題ない。
 ただ、プーチン大統領の通算5選が確実視される3月の大統領選を控え、政権はナワリヌイ、ネムツォフ両氏の支持者らリベラル派の動きに神経をとがらせている。
 15年に暗殺現場となった橋には27日夜、数十メートルにわたって花やネムツォフ氏の写真がずらりと並んだ。警官3人が配置され、ナワリヌイ氏の写真などを置かせないよう警戒したとみられる。支持者らが30人ほど集まり、涙を拭う女性の姿も見られた。
 大統領選に出馬を認められなかった地方議員ドゥンツォワ氏は27日、SNSに「2月は最も困難かつ悲劇的な月」と記し、ネムツォフ氏暗殺、2年前のウクライナ侵攻開始、ナワリヌイ氏の死があったと指摘した。やはり立候補を拒否されたナジェジディン元下院議員を公認した政党「市民イニシアチブ」は、3月2日にナワリヌイ、ネムツォフ両氏の追悼デモを計画したが、当局は新型コロナウイルス対策を理由に許可しなかった。 

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