「軍事強国」、集団防衛に寄与=先進兵器やサイバー防衛―スウェーデン 2024年02月27日 01時01分

米英に加え、ウクライナなど14カ国がスウェーデンで実施した軍事演習に参加する同国兵=2023年5月6日(EPA時事)
米英に加え、ウクライナなど14カ国がスウェーデンで実施した軍事演習に参加する同国兵=2023年5月6日(EPA時事)

 【ロンドン時事】スウェーデンの北大西洋条約機構(NATO)加盟が実現することになった。ロシアによるウクライナ侵攻で欧州の危機感が深まる中、世界有数の武器輸出大国である「北欧の軍事強国」は、高い軍事・技術力を生かして同盟全体の防衛強化に関与していく方針だ。
 スウェーデンはウクライナ侵攻を受けて非同盟政策を転換し、2022年5月にフィンランドと共に加盟を申請した。しかし、スウェーデンについてはトルコなどが異議を唱え、フィンランドだけが23年4月に先行加盟。「置き去り」となったスウェーデンは、粘り強く関係国と協議を重ねた。
 集団防衛の一翼を担うことになったスウェーデンは、強力な防衛産業基盤を有し、多用途戦闘機グリペンをはじめ先進兵器の独自開発・製造を推進してきた。サイバー防衛分野でも高い能力を誇り、人口は少ないものの徴兵制を採用し、有事の動員力も高い。こうした軍事力や地理的利点を生かし、特に北極圏を含む欧州北方とバルト海域でロシアの攻撃抑止に貢献すると期待されている。
 英スタフォードシャー大のサイモン・スミス准教授(安全保障・国際関係)は時事通信の取材に、スウェーデン加盟に関し「ロシアの侵略から陣営をどう守るか、作戦計画上、非常に重要な意味を持つ」と強調した。 

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