「730日分勝利に近づいた」=ウクライナ大統領、侵攻2年で―各国首脳、支援継続を約束 2024年02月24日 21時54分

23日、ウクライナ西部リビウの墓地で、追悼式典に参加するゼレンスキー大統領(手前)(EPA時事)
23日、ウクライナ西部リビウの墓地で、追悼式典に参加するゼレンスキー大統領(手前)(EPA時事)

 【キーウ時事】ロシアによるウクライナ侵攻は24日、開始から2年を迎えた。北朝鮮やイランの支援を受けるロシアと、西側諸国を後ろ盾とするウクライナの戦いは、権威主義と民主主義の激突の様相を呈する。ゼレンスキー大統領は24日、国民向けのビデオ演説で「730日分勝利に近づいた」と述べ、改めて国民の結束を訴えた。3年目に突入した戦争の出口は見えないままだ。
 ゼレンスキー氏は「私たち一人ひとりに弔うべき人がいる。彼らのためにこうべを垂れよう」と犠牲者を追悼した。その上で「私は国民一人ひとりを誇りに思い、信じている。この戦争の結末はたった一つしかない。それは勝利だ」と抗戦継続を主張した。
 欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は24日、イタリアのメローニ、カナダのトルドー、ベルギーのデクロー各首相を伴って首都キーウ(キエフ)を訪問。SNSに「われわれは経済的、軍事的、道徳的に、かつてないほど決意を持ってウクライナと団結する」と投稿し、支援継続の方針を強調した。
 先進7カ国(G7)首脳も同日、ゼレンスキー氏を招き、ウクライナ支援に主眼を置いたオンライン会議を開催。米国や欧州で支援の機運が低下する中、民主主義陣営の結束を再確認するのが狙いだ。
 キーウ旧市街に位置する聖ミハイル黄金ドーム修道院には、多くの市民が祈りに訪れた。「戦死者と今も戦う兵士のために祈りをささげた」と戦車部隊所属のペトロ・バブチュクさん(33)。妻ウリャナさん(30)は「ウクライナの勝利と戦争終結を祈った」と語った。
 一方、スイスのカシス外相は23日、国連総会での演説で、「今夏までに」スイスで首脳級の「世界平和サミット」を開催する意向を明らかにした。ゼレンスキー氏は1月、自身が提唱する和平案推進のため、同サミットを実施することでスイスと合意していた。 

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24日、キーウ(キエフ)で献花する首脳ら。右からベルギーのデクロー首相、欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長、ウクライナのゼレンスキー大統領、イタリアのメローニ首相、カナダのトルドー首相=イタリア政府提供(EPA時事)
24日、キーウ(キエフ)で献花する首脳ら。右からベルギーのデクロー首相、欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長、ウクライナのゼレンスキー大統領、イタリアのメローニ首相、カナダのトルドー首相=イタリア政府提供(EPA時事)
24日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)旧市街にある聖ミハイル黄金ドーム修道院で、祈りをささげるウクライナ軍兵士ペトロ・バブチュクさん(中央)と妻ウリャナさん
24日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)旧市街にある聖ミハイル黄金ドーム修道院で、祈りをささげるウクライナ軍兵士ペトロ・バブチュクさん(中央)と妻ウリャナさん
24日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)市内の広場で、捕虜となったウクライナ軍兵士の解放を訴える人
24日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)市内の広場で、捕虜となったウクライナ軍兵士の解放を訴える人

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