ウクライナ侵攻2年、熱気欠く国連総会=決議なし、支援継続の難しさ露呈 2024年02月24日 16時34分

23日、ロシアのウクライナ侵攻開始2年に合わせてニューヨークの国連本部で開かれた総会の会合(AFP時事)
23日、ロシアのウクライナ侵攻開始2年に合わせてニューヨークの国連本部で開かれた総会の会合(AFP時事)

 【ニューヨーク時事】国連総会は23日、ロシアのウクライナ侵攻開始から24日で2年となるのに合わせて会合を開いた。日米欧が相次いで登壇し侵攻を糾弾したが、対ロシア非難決議案の提出は見送られた。議場は空席が目立ち熱気に欠け、侵攻長期化に伴うウクライナ支援継続の難しさを浮き彫りにした。
 昨年侵攻1年の節目には、ロシア軍の即時撤退を求める総会決議を141カ国の賛成多数で採択し、ロシアを孤立させた。当時既に「ウクライナ疲れ」が指摘されていたが、日米欧が支持取り付けに奔走した結果だった。
 だが、昨年10月にイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が始まると状況は一変。「各国の関心がパレスチナ自治区ガザに移った」(外交筋)上に、ガザで軍事作戦を続けるイスラエルを米国が拒否権を使って繰り返し擁護。米国の求心力が陰りを見せており、賛成票を減らしかねないとの判断から、今年は決議が見送られたとみられる。
 トーマスグリーンフィールド米国連大使は23日の総会で「中東情勢で最善策を見いだす努力を24時間態勢で続ける」と演説。ウクライナへの連帯を呼び掛けつつも、不満を強めるアラブ諸国などに配慮を見せた。
 日米欧とウクライナは23日、総会決議に代わって共同の非難声明を発表した。ただ、参加国数は50カ国超と、全193加盟国の4分の1にとどまった。
 日本から出席した辻清人外務副大臣は会合後、報道陣に対し、ロシアの侵略行為を肯定することはあってはならないとして、ウクライナ連帯から距離を置く国に対し「日本政府として粘り強く説得していく」と語った。 

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