豪作家、中国の「死刑」で上訴せず=家族らは医療仮釈放要求 2024年02月21日 20時39分

中国国旗(写真左)とオーストラリア国旗(AFP時事)
中国国旗(写真左)とオーストラリア国旗(AFP時事)

 【シドニー時事】中国の裁判所からスパイ罪で執行猶予付きの死刑判決を受けたオーストラリア国籍の作家、楊恒均氏が上訴を見送ったことが分かった。楊氏の家族と支援者が21日までに明らかにした。楊氏は一貫して無実を訴えているが、腎臓疾患があり、法廷闘争を続ければ病状が悪化しかねないと判断した。家族らは医療仮釈放を要求している。
 楊氏は2019年に中国南部・広州の空港で身柄を拘束され、非公開の裁判を経て、今月5日に判決を言い渡された。2年間、問題行動がなければ終身刑となる見通し。しかし、家族らは健康悪化を懸念しており、声明で「病気の治療が最優先だ。医療仮釈放か豪州の安全な場所への移送を中国当局に強く求める」と訴えた。
 家族らは中国の司法制度について「独立性も正義もなく、不正義を是正できると信じる根拠はない」と指摘。「上訴すれば適切な医療を受ける可能性が遅れるだけだ」との認識を示した。 

海外経済ニュース