イスラエル軍、6〜8週間は作戦続行か=ガザの病院で8人死亡 2024年02月19日 20時30分

18日、パレスチナ自治区ガザ南部ハンユニスで、イスラエル軍による空爆を受け、立ち上る煙(EPA時事)
18日、パレスチナ自治区ガザ南部ハンユニスで、イスラエル軍による空爆を受け、立ち上る煙(EPA時事)

 【カイロ時事】ロイター通信は19日、イスラエル軍が続行するイスラム組織ハマスに対する本格的な軍事作戦が今後6〜8週間は継続する見通しだと報じた。イスラエルと中東地域の当局者の話として伝えた。現在米国やカタールなどが仲介する戦闘休止協議は難航。イスラエルはハマス壊滅に向け強硬姿勢を貫いている。
 イスラエル軍は、「ハマス最後のとりで」とみるパレスチナ自治区最南部ラファへの本格侵攻の準備を進めている。軍上層部は、数週間内にハマスに重大な損害を与え、その後、標的を絞った空爆や特殊部隊による作戦など、強度を弱める方向にかじを切ることを想定しているという。
 ガザ南部ハンユニスで最大規模のナセル病院に部隊を突入させたイスラエル軍は18日、同病院内や周辺地域で作戦を続けた。ロイターによると、ナセル病院は完全に機能を停止。ガザ保健当局は、作戦の影響で人工呼吸器の酸素が供給できなくなり、少なくとも患者8人が死亡したと訴えた。
 軍は、病院一帯で武装集団を殺害し、約100人を拘束したと発表。院内からは武器のほか、人質の名前が書かれた医薬品が発見されたと説明した。「未開封のままで、人質には渡っていなかった」という。医薬品は昨年11月に人質の家族がガザに送ったものと報じられている。
 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は18日、SNSで、ナセル病院には約200人の患者が残っていると指摘。だが、WHOの職員が立ち入りを拒まれる状態が続いていると述べた。
 一方、ガラント国防相は18日、ハマス指導部がガザ地区トップのヤヒヤ・シンワル氏の交代を検討していると述べた。シンワル氏は1月末以降、国外のハマス関係者と連絡が取れていないとされ、ガラント氏は「ハマス指導部はガザの新指導者を求めている」と語った。ハマスは、イスラエルの「心理戦だ」と否定している。 

海外経済ニュース