議長国ブラジル、グローバルサウス主導へ=G20外相会合、21日開幕 2024年02月19日 14時05分

17日、アディスアベバで開かれたアフリカ連合(AU)の会議で演説するブラジルのルラ大統領(ブラジル大統領府提供)(AFP時事)
17日、アディスアベバで開かれたアフリカ連合(AU)の会議で演説するブラジルのルラ大統領(ブラジル大統領府提供)(AFP時事)

 【サンパウロ時事】20カ国・地域(G20)の外相会合が21、22両日、ブラジル南東部リオデジャネイロで開かれる。同国が昨年12月に議長国を引き継いでからは初めての閣僚会合。新興・途上国「グローバルサウス」の代表格として台頭するブラジルは、今年11月のG20首脳会議に向けて、国連改革などの議論を主導していきたい考えだ。
 ブラジルのルラ大統領は17日、エチオピアで開かれたアフリカ連合(AU)首脳会議で「グローバルサウスはこの地球を苦しめている主な危機を解決するために、(議論が)避けられない対象になった」と強調。G20議長国として、アフリカ諸国の関心が高い飢えや貧困、気候変動の問題に取り組むと訴えた。AUは昨年、ブラジルの働き掛けもありG20への正式加入が実現した。
 昨年、12年ぶりに大統領に返り咲いたルラ氏は外交を重視し、1年で20カ国以上を訪問。国際的に孤立したボルソナロ前大統領と打って変わって、「ブラジルが(外交舞台に)戻った」と訴えた。
 ブラジルは国連を中心とした国際機関の改革にも意欲を示す。ルラ氏はロシアによるウクライナ侵攻、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘を踏まえ、国連安全保障理事会の機能に関して「現在の紛争に対処するには不十分だ」と主張している。安保理改革に向けブラジルはG20メンバーでもある日本、ドイツ、インドとグループを形成。米英仏ロ中の全常任理事国が参加しているG20の場で、グローバルサウスも交え、どこまで改革の方向性を打ち出せるのか注目される。
 今回の外相会合には上川陽子外相をはじめ、ブリンケン米国務長官やラブロフ・ロシア外相らが出席する予定だ。21日はウクライナや中東の情勢を議論し、22日には国際機関の改革を話し合う。 

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