ハマス、ガザ休戦協議停止を警告=イスラエルは強硬姿勢崩さず 2024年02月18日 18時39分

18日、パレスチナ自治区ガザ南部ラファで、イスラエル軍の空爆後の破壊状況を調べる人々(AFP時事)
18日、パレスチナ自治区ガザ南部ラファで、イスラエル軍の空爆後の破壊状況を調べる人々(AFP時事)

 【カイロ時事】イスラエルと交戦するイスラム組織ハマスは17日、パレスチナ自治区ガザの北部に人道支援物資が届けられなければ、ガザに拘束する人質の解放を含む戦闘休止に関する協議を停止すると警告した。AFP通信がハマス幹部の話として伝えた。一方、イスラエルは強硬姿勢を崩しておらず、米国やカタールなどが仲介するハマスとの協議は難航している。
 同幹部は、「パレスチナの人々が飢餓に見舞われている中で交渉はできない」と語った。国連は、ガザで人々が飢餓状態に近づいていると警鐘を鳴らしている。中でも約30万人が暮らす北部は支援が寸断され、特に深刻だという。
 しかし、イスラエルは人道支援に消極的で「ハマス壊滅」を目指す構えを堅持。戦闘休止案を巡り、そもそも、イスラエル軍のガザ撤退といったハマスの要求を「妄想的だ」(ネタニヤフ首相)と拒否して取り下げを求めており、隔たりは大きい。
 ネタニヤフ氏は17日、「完全勝利」まで戦うと繰り返し、ガザ最南端の都市ラファに本格侵攻する考えを重ねて表明した。ラファにはイスラエルの攻撃から逃れた100万人以上が身を寄せており、民間人被害の拡大に国際社会は懸念を強めている。
 イスラエル軍は18日、前日の作戦でガザ北部から南部の全域でハマス戦闘員を多数殺害したと発表した。15日に突入した南部ハンユニスの病院での作戦も継続中という。
 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は、同病院に患者約200人が残されており、うち少なくとも20人は緊急の対処が必要だとX(旧ツイッター)に投稿。しかし、WHO職員の病院への立ち入りが認められず、対応できていないと訴えた。 

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