タイのタクシン元首相、仮釈放=「特別扱い」批判も 2024年02月18日 08時42分

18日、仮釈放され、バンコク市内の自宅に到着したタイのタクシン元首相(AFP時事)
18日、仮釈放され、バンコク市内の自宅に到着したタイのタクシン元首相(AFP時事)

 【バンコク時事】昨年8月にタイに帰国後、公権力乱用罪などで実刑判決を受けたタクシン元首相(74)が18日、仮釈放された。入院先の首都バンコク市内の警察病院から自宅に戻った。短期間で自由の身となったことには、「特別扱い」と批判が出ている。
 タクシン氏は、次女のペートンタン氏が党首の最大与党タイ貢献党の実質的なオーナー。政権の政策にも強い影響力を持っており、今後の動向に関心が集まっている。
 ペートンタン氏はSNSを更新し、自宅内のプールのそばで座るタクシン氏の写真とともに「やっと帰って来た」と投稿した。一方、野党前進党は「多くの国民が疑問に思っている」と批判した。
 タイ政府によると、タクシン氏は70歳以上の高齢者で、一定期間の刑期が経過するなど仮釈放の条件を満たしたという。ただ、海外逃亡中の2015年の発言により不敬罪で検察が捜査しており、今後再び訴追される可能性は残る。
 タクシン氏は01年から首相を務めたが06年にクーデターで失脚。08年以降国外で逃亡生活を送っていた。
 昨年8月22日に帰国し、禁錮8年の実刑判決を受けて刑務所に収監されたが、すぐに体調不良を理由に警察病院に移送された。9月には「王室への忠誠心」などを理由にワチラロンコン国王の恩赦が発表され、刑期は1年に短縮された。 

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