商業不動産「極めて注視」=米金融当局、地銀監督を強化 2024年02月17日 14時26分

 【ワシントン時事】米連邦準備制度理事会(FRB)が、オフィスビルなど商業用不動産向け融資の不良債権化への警戒を強めている。バー副議長(金融規制担当)は16日の講演で「極めて注視している」と強調し、銀行監督を強化していると明らかにした。市場では、地方銀行を中心に損失拡大への懸念が広がっている。
 バー氏は講演で、商業用不動産市場の悪化を受け、銀行のリスク管理手法や、経営陣がリスクを把握する態勢、引当金や資本など財務状況を精査していると説明した。ブルームバーグ通信によると、オフィスなどへの融資残高を急激に伸ばした銀行への監視を強めており、対象は20行以上になるという。
 昨年の地銀不安の引き金となったシリコンバレー銀行破綻から1年。バー氏は「リスクに応じたタイムリーな行動が取れるよう、対応の早さなどを改善してきた」と振り返り、経営上のリスクが高まっている銀行には、積極的に是正を促していく考えを示した。 

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