ナワリヌイ氏の死は「殺人」=ノーベル平和賞ムラトフ氏 2024年02月16日 22時38分

ノーベル平和賞受賞者のロシア独立系紙「ノーバヤ・ガゼータ」ドミトリー・ムラトフ編集長=2023年10月(EPA時事)
ノーベル平和賞受賞者のロシア独立系紙「ノーバヤ・ガゼータ」ドミトリー・ムラトフ編集長=2023年10月(EPA時事)

 ロシア独立系紙「ノーバヤ・ガゼータ」編集長としてノーベル平和賞を受賞したドミトリー・ムラトフ氏は16日、反体制派指導者ナワリヌイ氏の死について、懲罰施設への収監が原因となった「殺人」という認識を示した。究明のため、医療スタッフの録画記録を公開するよう要求した。
 ナワリヌイ氏は毒殺未遂に遭って療養先のドイツから2021年1月に帰国後、拘束・収監された。ムラトフ氏は「ナワリヌイ氏は3年間にわたり拷問を受けた」と非難し、これを裏付ける医師の証言もあったと述べた。
 突然の死亡に衝撃が広がっており、独立系メディア「メドゥーザ」は「ナワリヌイ氏は、単なる政治家にとどまらない。彼の訃報は数百万人に痛みをもたらした」と指摘した。普段はナワリヌイ氏を取り上げることが「タブー」の国営メディアも死を報じた。
 一方、ノーバヤ紙によると、ナワリヌイ氏の母リュドミラさんは「お悔やみの言葉など聞きたくない」と取材に回答。今月12日に極北の刑務所で面会したばかりだと明らかにした上で「生きていて、健康、陽気だった」と振り返った。 

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