ロシア、激戦地の補給路遮断=「ウクライナ軍撤退」報道も 2024年02月16日 08時00分

ウクライナのゼレンスキー大統領=2023年12月、ドネツク州アウディイウカ(大統領府提供)(AFP時事)
ウクライナのゼレンスキー大統領=2023年12月、ドネツク州アウディイウカ(大統領府提供)(AFP時事)

 ウクライナ侵攻を続けるロシア軍は、包囲する東部ドネツク州の激戦地アウディイウカで、ウクライナ軍の主要な補給路を遮断したもようだ。占領地区にロシア国旗が掲げられたことがドローンの映像で確認できたと、双方の軍事ジャーナリストらが15日、SNSで指摘した。事実であれば、同地での攻防は重大局面を迎えた可能性がある。
 米紙ワシントン・ポスト(電子版)は15日、ウクライナ軍の兵員の一部がアウディイウカから撤退を開始したと報じた。同国軍当局者は「(陥落は)時間の問題」と認めているという。
 ゼレンスキー大統領は16日、訪問先のドイツで「軍は補給路を守っている」と説明しつつ、「最も重要なのは兵士だ」と述べ、撤退も辞さない構えを示した。現場のタルナフスキー司令官もSNSで「あり得るシナリオを考慮して新たな陣地を築き、強力な防御を固める。領土は大事だが、最優先なのはウクライナ兵の命だ」と強調した。「新たな陣地」は後方への撤退を示唆する用語で、注目を集めている。
 ロシア軍は、アウディイウカにある燃料精製工場の確保を狙っているとみられる。ポスト紙は、アウディイウカ制圧の場合、ウクライナ軍が昨年6月に反転攻勢を開始した後、ロシア軍にとって「最大の勝利となる」と指摘。ウクライナ軍が兵員や兵器の不足を訴える中、ロシア軍が戦闘の主導権を奪還することになると警告した。 

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