「国際社会の努力必要」=駐日パレスチナ大使が講演 2024年02月15日 20時59分

講演する駐日パレスチナ常駐総代表部のシアム大使=15日、東京都千代田区
講演する駐日パレスチナ常駐総代表部のシアム大使=15日、東京都千代田区

 駐日パレスチナ常駐総代表部のシアム大使は15日、イスラエルによる攻撃が続くパレスチナ自治区ガザの現状について「ジェノサイド(集団殺害)であり戦争犯罪だ」と糾弾した。イスラエルとパレスチナが共存する「2国家解決」を実現するためには「日本を含めた全ての国際社会の努力が必要だ」と訴えた。東京都内で講演した。
 戦闘が始まった昨年10月以降、「ガザの60%が完全に破壊された。犠牲者の70%が女性と子どもだ」とイスラエルを批判。1967年の第3次中東戦争後、イスラエルに占領地からの撤退を求めていた国連安保理決議242号を挙げ「国際法や安保理決議が順守されていればこうはならなかった」と悔やんだ。ウクライナ侵攻の際には各国が次々にロシアへ制裁を科したことに触れ、「イスラエルに対しても法の行使をしてほしい。国際社会は矛盾している」と非難した。
 イスラム組織ハマスとの関係が指摘される国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への拠出金停止表明が相次いだことについては、「UNRWAはパレスチナ市民にとっての生命線で、存続しなければならない」と強調。日本にも支援継続を呼び掛けた。 

海外経済ニュース