イスラエル首相、ガザ休戦交渉に代表送らず=強硬姿勢鮮明、困難な局面続く 2024年02月15日 14時11分

14日、パレスチナ自治区ガザ南部ラファに並ぶ避難民のテント(AFP時事)
14日、パレスチナ自治区ガザ南部ラファに並ぶ避難民のテント(AFP時事)

 【カイロ時事】パレスチナ自治区ガザでのイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘休止交渉を巡り、イスラエルのメディアは14日、ネタニヤフ首相が今後、カイロでの関係国協議に代表団を送らないと決めたと報じた。ネタニヤフ氏は「ハマスがばかげた態度を変えれば、交渉での進展も得られる」と表明。交渉は困難な局面が続いている。
 イスラエル代表団は13日にカイロで行われた協議に「話を聞くため」(イスラエル首相府関係者)に参加し、話し合いは不調に終わっていた。首相府は声明で「カイロではハマスから人質解放に関し、何の新提案も受けなかった」と強調した。
 ハマスは先に、恒久停戦やイスラエル軍のガザ撤退などを要求。イスラエルは「妄想じみている」と拒絶していた。ネタニヤフ氏は14日も、100万人以上の避難民らが身を寄せるガザ南部ラファで「強力な作戦」を実施するとSNSで明言。こうした政権の方針に対し、人質の家族でつくるグループは、交渉を頓挫させ、人質に死刑判決を下すに等しいと非難を強めている。
 仲介役のカタールなどは交渉加速を目指し、15日にも関係国協議を再開したい意向だ。ただ、イスラエルとハマスの隔たりが大きい論点を避け、人道面の問題に絞って協議する見通しと伝えられる。
 一方、イスラエル北部のレバノン境界では、ハマスと共闘関係にあるイスラム教シーア派組織ヒズボラとの交戦が激化している。イスラエル軍のハレビ参謀総長は14日、「現在、戦争の準備に集中している」と述べ、大規模戦闘を行う可能性に言及した。
 ロイター通信によると、イスラエル軍が14日に行ったレバノン南部への空爆で、子供5人を含む少なくとも10人が死亡した。軍は15日も空爆を実施。ヒズボラは「敵は代償を払う」と語っており、深刻な報復の応酬に発展する危険がある。 

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