イスラエル、ヒズボラと「戦争準備」=ガザ休戦協議は停滞 2024年02月15日 08時04分

14日、イスラエル北部サフェドにある病院の入り口付近で、レバノン南部から発射されたロケット弾の着弾現場(AFP時事)
14日、イスラエル北部サフェドにある病院の入り口付近で、レバノン南部から発射されたロケット弾の着弾現場(AFP時事)

 【カイロ時事】イスラエル軍のハレビ参謀総長は14日、同国北部のレバノン境界一帯でイスラム教シーア派組織ヒズボラとの交戦が激化していることを受け、「現在、戦争の準備に集中している」と語った。ハレビ氏はまた、「次の作戦は強力な攻撃になる」と強調。パレスチナ自治区ガザでの戦闘が続く中、北部でも緊張が高まっている。
 レバノン南部から14日、イスラエル北部に向けてロケット弾の集中砲火があり、兵士1人が死亡した。これを受け、イスラエル軍は「ヒズボラの標的」に対し報復空爆を実施。レバノンでは子供2人を含む民間人3人と、ヒズボラの戦闘員1人が死亡したと報じられている。
 ヒズボラは、ガザで戦うイスラム組織ハマスと連帯し、昨年10月からイスラエルに対してロケット弾攻撃などを繰り返している。AFP通信によれば、これまでにレバノンで民間人33人を含む248人が死亡し、イスラエルでは民間人6人と兵士10人が命を落とした。
 沈静化に向けた米国やフランスの外交努力は実を結んでいない。ヒズボラの最高指導者ナスララ師は13日、「ガザでの銃撃がやめば、われわれもやめる」と語っていた。
 一方、ガザでの戦闘休止や、ハマスが拉致した人質の解放を巡る関係国の交渉は停滞しているもようだ。イスラエル首相府は声明を出し、「ハマスからいかなる新たな提案も受け取っていない」と発表。ネタニヤフ首相は、エジプトの首都カイロで15日に予定されていた関係国の協議に代表団を送らないよう命じたとされる。 

海外経済ニュース