プラボウォ氏が勝利宣言=6割近く得票で当確―インドネシア大統領選 2024年02月14日 17時22分
【ジャカルタ時事】インドネシア大統領選は14日、投開票され、地元の複数の調査機関によると、プラボウォ国防相(72)=グリンドラ党党首=が60%近い票を獲得し、当選をほぼ確実にした。プラボウォ氏は同日夜、勝利宣言した。
プラボウォ氏はジャカルタで開いた記者会見で「複数の調査機関の結果を見る限り、われわれが1回目の選挙で勝ったことは間違いない。総選挙委員会の正式結果を待ちたい」と述べた。次期大統領の就任日は10月20日。
調査機関によると、アニス前ジャカルタ特別州知事(54)=無所属=が獲得した票の割合は20%台、ガンジャル前中ジャワ州知事(55)=闘争民主党=は10%台後半だった。
プラボウォ氏は、現在でも高い人気を誇るジョコ大統領の路線継承を誓い、支持率を伸ばしてきた。昨年10月には、ジョコ氏の長男で、中ジャワ州ソロ(スラカルタ)市長のギブラン氏(36)を副大統領候補に指名。盤石の態勢を敷いた。
さらに、人工知能(AI)を使って作成したアバター(分身)が若者の間で「かわいい」と話題になり、親近感を持たれたことも大きかったとみられる。
一方で、プラボウォ氏には、陸軍時代の1990年代後半に人権活動家らを拉致・監禁したとの疑惑が付きまとう。2014年と19年の大統領選でジョコ氏に敗れ、19年の敗北後に国内で起きた暴動への関与も疑われた。
公約の一つに「天然資源の下流化(加工産業化)」を掲げており、電気自動車(EV)の電池の材料となるニッケルをはじめとする資源は「付加価値を付けてから輸出すべきだ」と強調。「インドネシア国民が恩恵を受けなければならない」と保護主義的な姿勢を見せている。