「対日関係重視、変わらず」=インドネシア大統領選 2024年02月14日 22時27分

インドネシア・バリ島で開催された20カ国・地域首脳会議(G20サミット)=2022年11月(EPA時事)
インドネシア・バリ島で開催された20カ国・地域首脳会議(G20サミット)=2022年11月(EPA時事)

 【ジャカルタ時事】14日に行われたインドネシア大統領選は、プラボウォ国防相(72)=グリンドラ党党首=が過半数の票を得るなどして当選を確実にした。今後の対日関係や東南アジア諸国連合(ASEAN)内での立ち位置が注目されるが、日本政府関係者は「プラボウォ氏が大統領になっても、対日関係を選択肢の一つとして重視していくことに変わりはないと思う。ASEAN内でも引き続き影響力を行使するだろう」と語る。
 日本は、インドネシアへの積極投資を展開する中国との「せめぎ合い」を今後も余儀なくされるとみられている。同関係者は「こうした状況下で、いかに日本のプレゼンスを高めていくのかがポイントだ」と指摘する。
 国際社会では、インドネシアは2022年11月、バリ島で20カ国・地域首脳会議(G20サミット)を開催。ロシアのウクライナ侵攻などで各国の利害関係が入り乱れる中で、首脳宣言をまとめ上げた。昨年はASEANの議長国として、政情不安が続くミャンマー問題で解決の糸口をつかもうと、ルトノ外相が中心となり、積極的にミャンマーの利害関係者との接触を重ねた。
 別の日本政府関係者は「国際社会での地位をかなり高め、国民が自信を持つようになっていると感じる」と話す。
 ASEANは昨年、ミャンマー問題にその年の議長国だけでなく、前後の議長国も関与していく「トロイカ体制」で臨むことを決めた。今年の議長国ラオスがミャンマー軍事政権に融和的とされる中、インドネシアは異なったアプローチで関与していくもようだ。アジア太平洋の覇権を競う米中との関係も「全方位外交」を継続し、バランスを重視していくとみられている。 

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