ウクライナ「消滅」危機回避を=援助拡大が必要―ラトビア外相 2024年02月10日 15時29分

インタビューに答えるラトビアのカリンシュ外相=9日、東京都港区
インタビューに答えるラトビアのカリンシュ外相=9日、東京都港区

 来日したラトビアのカリンシュ外相は9日、東京都内でインタビューに応じ、ロシアの侵攻を受けるウクライナに関し「武器を捨てれば国が消滅する」と強い危機感を示した。同氏は、ウクライナが敗北すれば、ロシアの脅威は周辺国にも及ぶと警告。「ロシアを止めなければならない」と語り、各国の援助拡大が必要だと訴えた。
 ラトビアは旧ソ連から独立したバルト3国の一つで、ロシアと国境を接する。国内総生産(GDP)の約1%をウクライナ支援に充てており、人道支援に加え、武器供与も積極的に進めてきた。
 カリンシュ氏は「ラトビアは欧州で最も裕福な国ではないが、極めて高水準の援助を続けている。われわれができるなら、他の国もできるだろう」と強調。ウクライナに対する欧州連合(EU)の弾薬供給計画や米国の支援が停滞する中、各国政府に一層の努力を求めた。
 また、「ラトビアは2024年にGDPの2.4%を国防費とし、27年までに3%に引き上げる目標を掲げており、前倒しで達成できる可能性もある」と説明。北大西洋条約機構(NATO)加盟国の多くが国防費をGDP比2%以上に増やす目標を達成できずにいるが、ラトビアはNATOの一員として十分な責務を果たしているとアピールした。
 カリンシュ氏は「1991年にラトビアは旧ソ連から独立したが、その歴史から、他国と協力し、できるだけ多くの友人を持つことが非常に重要だという教訓を学んだ」と述べた。その上で「自由、民主主義、法の支配という価値観を共有している」として、日本との外交・経済面での関係強化に意欲を示した。 

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