ラファ侵攻へ計画作成指示=ハマス壊滅と民間人退避両立掲げる―イスラエル首相 2024年02月10日 07時38分

9日、パレスチナ自治区ガザ南部のラファで、イスラエル軍の空爆により破壊された建物(EPA時事)
9日、パレスチナ自治区ガザ南部のラファで、イスラエル軍の空爆により破壊された建物(EPA時事)

 【カイロ時事】イスラム組織ハマスの壊滅を掲げるイスラエルのネタニヤフ首相は9日、軍に対し、パレスチナ自治区ガザ最南端の都市ラファへの侵攻と同時に、民間人退避を進める計画を作成するよう命じた。対エジプト境界のラファにはガザ地区の全人口230万人の半数が避難生活を送っているとされ、民間人の一層の被害拡大に懸念が高まっている。
 イスラエル首相府は声明で、「ラファにいるハマスの4大隊を残したままでは、ハマスせん滅の戦争目的を達成できない」と主張しつつ、「ラファでの激しい活動は、戦闘地域からの民間人退避が明らかに求められる」と説明した。
 ラファ侵攻を巡っては、イスラエルのガザ攻撃を容認してきたバイデン米政権が、民間人保護を怠れば「大惨事を招く」とけん制していた。ネタニヤフ氏は米国への配慮を示したとみられる。グテレス国連事務総長も「(ラファ住民は)逃げ場がない」と語り、再考を求めていた。 

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