固体燃料ICBMか=北朝鮮、2日連続でミサイル―EEZ外落下、米本土射程 2023年12月18日 08時38分

18日、ソウル市内の駅で、北朝鮮の弾道ミサイル発射を伝えるニュースを見る人々(AFP時事)
18日、ソウル市内の駅で、北朝鮮の弾道ミサイル発射を伝えるニュースを見る人々(AFP時事)

 【ソウル時事】北朝鮮は18日午前8時24分(日本時間同)ごろ、平壌周辺から日本海に弾道ミサイル1発を発射した。日韓両政府が発表した。大陸間弾道ミサイル(ICBM)級とされ、固体燃料式とみられる。北朝鮮による弾道ミサイル発射は2日連続となり、米韓に対抗する意思を鮮明にした格好だ。
 ICBM級の発射は、固体燃料式のICBM「火星18」を撃った7月12日以来。18日のミサイルは、通常より高角度の「ロフテッド軌道」で発射され、約1000キロ飛行した。韓国大統領府は、国家安全保障会議(NSC)の会合を開き、「固体燃料式のICBM」との見方を示し糾弾。飛行時間や距離、高度などが7月と似ていることから、精度の向上や技術的進展を図るため、今回も火星18を発射した可能性が高い。
 日米韓は、北朝鮮の弾道ミサイル発射情報を即時共有するシステムの運用を近く開始する見通しだ。今回は即時共有されていないが、韓国軍は「韓米日は共同で探知、追跡できる態勢を整えていた」と強調。連続でのミサイル発射には、日米韓の情報共有の進展に対抗する意図もありそうだ。
 日本政府によると、ミサイルは約73分間飛行し、午前9時37分ごろ、北海道奥尻島北西約250キロの排他的経済水域(EEZ)外に落下。最高高度は約6000キロ超と推定される。三宅伸吾防衛政務官は記者団に、弾頭重量などによっては「米本土が射程に含まれる」と述べた。
 日本政府は北京の大使館ルートで北朝鮮に厳重抗議。岸田文雄首相は「明白な国連安全保障理事会決議違反であるだけでなく、地域の平和と安定を脅かすものだ」と非難した。
 韓国政府高官は米東部時間14日、月内にICBM発射の可能性があると指摘。日米韓が警戒していた。3カ国の北朝鮮担当高官は18日、発射を受けて電話で協議し、「地域の安全保障にとって重大かつ差し迫った脅威であり、国際社会に対する明白かつ深刻な挑戦」との認識を共有した。 

その他の写真

北朝鮮国旗(EPA時事、資料写真)
北朝鮮国旗(EPA時事、資料写真)

海外経済ニュース