〔東京外為〕ドル、143円台前半=弱めの米PPIなどで下落(13日午前9時) 2025年06月13日 09時02分

 13日朝の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、前日発表された5月の米卸売物価(PPI)が弱めとなったことなどに圧迫され、1ドル=143円台前半に下落している。午前9時現在、143円10~12銭と前日(午後5時、143円86~88銭)比76銭のドル安・円高。
 前日の海外市場では、欧州時間は東京時間終盤に買われた反動から売り戻され、143円40銭前後に反落。米国時間の序盤には弱めの米PPIを受けて一時143円20銭まで下値を切り下げた。中盤は143円90銭前後に浮上する場面もあったが、米長期金利の低下を眺めて143円40銭台に伸び悩んだ。東京早朝もおおむね同水準で推移した後はやや弱含みとなっている。
 5月の米PPIは前月比0.1%上昇と、市場予想(ロイター通信調べ、0.2%上昇)を下回った。11日に発表された5月の米消費者物価指数(CPI)に続いて弱い結果となり、「米インフレ懸念の後退からドル円はなお売りが出やすい」(FX業者)とされる。
 このほか、トランプ米大統領が12日、輸入自動車に対する追加関税について、「遠くない将来に引き上げられるかもしれない」と述べ、米通商政策の不透明感が意識されたこともドル円の上値を重くした。市場では「足元はドルの売り材料が目立ち、下値を模索しやすい」(為替ブローカー)と指摘される。ただ、「143円前後は押し目買いも入りやすい」(大手邦銀)ほか、「来週には日銀決定会合も控え、全般は143円台前半を軸としたレンジ圏での推移が見込まれる」(同)との声も聞かれる。
 ユーロは対ドルを中心に上昇。午前9時現在、1ユーロ=166円11~14銭(前日午後5時、165円83~84銭)、対ドルでは1.1608~1608ドル(同1.1526~1526ドル)。

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