400兆円の赤字圧縮効果=トランプ関税収入で―米議会予算局 2025年06月05日 08時33分

米議会予算局(CBO)=ワシントン(EPA時事)
米議会予算局(CBO)=ワシントン(EPA時事)

 【ワシントン時事】米議会予算局(CBO)は4日、議会幹部宛ての書簡で、トランプ政権が打ち出した高関税政策で、収入増により今後10年で財政赤字が2兆8000億ドル(400兆円)圧縮されるとの推計を示した。ただ、他国との関税交渉で収入が大きく変わる可能性があり、安定的な財源となるかは不透明だ。
 CBOは、トランプ政権が5月半ば時点で発動している関税に基づき試算。赤字圧縮を予想する一方で、他国の報復措置などで成長が圧迫され、2035年度までに経済規模が従来予想を0.6%下回ると見込んだ。
 米政権は、高関税による収入増を大型減税の財源や債務の圧縮に充てる考え。ただ、米シンクタンク「責任ある連邦予算委員会」のゴールドワイン上級副所長は「関税は極めて不確かだ。トランプ大統領がいつでも変えてしまう」と述べ、安定財源にはなり得ないとの見方を示した。 

前日からの主な出来事