〔NY外為〕円、142円台後半(4日) 2025年06月05日 07時05分

 【ニューヨーク時事】4日のニューヨーク外国為替市場では、米景気の減速を示唆する経済指標を受けて円買い・ドル売りが進み、円相場は1ドル=142円台後半に上昇した。午後5時現在は142円77銭~87銭と、前日同時刻(143円91銭~144円01銭)比1円14銭の大幅な円高・ドル安。
 海外市場の流れを引き継ぎ、ニューヨーク市場は144円台前半の円安・ドル高地合いで取引を開始。ただ、その後に米民間雇用サービス会社ADPが発表した5月の全米雇用報告は、非農業部門の民間就業者数(季節調整済み)が前月比3万7000人増と、市場予想(11万人増=ロイター通信調べ)を大きく下回った。労働市場の軟化を示唆する内容となったことで、発表後に米長期金利の指標である10年債利回りが急低下。日米金利差が縮小し、円を買ってドルを売る動きが強まった。
 さらに、米サプライ管理協会(ISM)が発表した5月の米サービス業購買担当者景況指数(PMI)も49.9と、市場予想(52.0=同)を下回り、景気拡大と縮小の節目である50を割り込んだ。米景気の先行き不安が改めて意識されてドル売りが進行、円相場はさらに強含んで142円台に入った。
 トランプ米政権は4日、鉄鋼・アルミニウムへの追加関税を50%と、従来の25%から2倍に引き上げる措置を発動。関税によるコスト増大が米経済に及ぼす悪影響への警戒感は根強い。
 ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.1416~1426ドル(前日午後5時は1.1366~1376ドル)、対円では同162円95銭~163円05銭(同163円68~78銭)と、73銭の円高・ユーロ安。

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