夏にもTOPIX最高値か 2024年05月09日 14時34分

日本資産運用基盤グループ・ディレクター白滝俊之氏
 東証株価指数(TOPIX)の史上最高値更新には、日本株上昇をけん引してきた生成AI(人工知能)関連の半導体銘柄と他のセクターとの格差縮小が必要だ。半導体需要が落ち着き、米国で9月の利下げ実施の実現性が高まれば、循環物色が強まり今夏にもTOPIXが最高値を達成する可能性がある。日経平均株価も4万5000円を目指す展開を想定する。
 円安進行は、米利下げ観測後退による日米金利差やデジタル赤字の拡大という構造的要因に根差しており、グローバル企業中心に業績の上振れに寄与する。一方、過度な円安による輸入物価の上昇は、賃上げで上向いた実質賃金の低下を招き、賃金と物価の好循環に水を差しかねない。
 一段の中東情勢悪化で原油価格が上昇し、米国でインフレ見通しが上方修正されれば、米金利が高くかつ長く維持される。米国株の調整に連動し、日本株も下落リスクを抱える。

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