イラン大統領、ヘリで事故死=山間部に墜落、外相も同行 2024年05月20日 18時57分

20日、イラン北西部のライシ大統領のヘリコプター墜落現場で見つかった機体の一部(EPA時事)
20日、イラン北西部のライシ大統領のヘリコプター墜落現場で見つかった機体の一部(EPA時事)

 【イスタンブール時事】イラン北西部の東アゼルバイジャン州で19日、ライシ大統領(63)やアブドラヒアン外相らを乗せたヘリコプターが山間部に墜落し、国営メディアによると、ライシ師ら搭乗者全員が死亡した。イラン最高指導者ハメネイ師は20日、ライシ師ら犠牲者に哀悼の意を示すとともに、5日間の国民服喪を宣言した。
 イランの憲法の規定では、大統領が在職中に死去などで不在となった場合、第1副大統領が最高指導者の合意を得て大統領の職務を代行する。ハメネイ師は、ライシ師に任命された保守強硬派のモフベル第1副大統領が代行を務めると明らかにした。次の大統領選挙の日程は未定だが、規定により50日以内に実施される。
 ハメネイ師は事故発生後の19日、「国政が混乱することはなく、心配する必要はない」と国民に平静を呼び掛けた。国営メディアはライシ師の死亡発表後、同師をたたえる映像を繰り返し伝えつつ、「国家の運営に全く問題はない」と報じた。在任中の大統領が事故死する異例の事態で、国民の間に動揺が広がるのを抑える思惑があるとみられる。
 イラン政府は20日に緊急の閣議を開き、今後の対応を協議したもようだ。中東情勢のカギを握るイランで、行政をつかさどる大統領と対外的な顔である外相が同時に死亡したことで、内政や外交に影響が及びそうだ。国営メディアによれば、外相代行にはバゲリ外務次官が就く。
 ライシ師やアブドラヒアン氏は19日にアゼルバイジャンとの国境地帯を訪れ、ダムや発電所の完成式に出席。その帰途に事故に遭った。バヒディ内相は、墜落は「悪天候が原因だ」と指摘。ライシ師らの遺体は北西部タブリーズに搬送されたという。 

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20日、イラン北西部の山あいのヘリコプター墜落現場付近で、作業に当たる救助隊員ら(EPA時事)
20日、イラン北西部の山あいのヘリコプター墜落現場付近で、作業に当たる救助隊員ら(EPA時事)
イランのライシ大統領=4月17日、テヘラン(EPA時事)
イランのライシ大統領=4月17日、テヘラン(EPA時事)

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