関税交渉「食の安全譲らず」=貿易赤字解消、トランプ氏が優先―石破首相 2025年04月20日 09時54分

石破茂首相は20日のNHK番組で、米国との関税交渉を巡り、農産品の市場開放に慎重に対応する姿勢を示した。米側の関心を念頭に「食の安全を譲ることはない。日本人の安全はきちんと守っていかなければいけない」と強調。トランプ大統領は対日貿易赤字の解消を優先していると指摘し、液化天然ガス(LNG)の輸入拡大などが交渉カードとして検討対象になると表明した。
米側は、自動車の「非関税障壁」を問題視している。首相は、安全基準や交通事情の違いを踏まえつつ、「アンフェアと言われないよう、詰めはきちんとやる」と述べ、対応を検討する考えを明らかにした。
一方、在日米軍駐留経費などにトランプ氏が不満を示していることには「安全保障と貿易は違う分野で、絡めて話すことは正しいと思っていない」と反論。その上で「関税と絡めない形で議論する」と主張した。
トランプ氏が急きょ赤沢亮正経済再生担当相と会談したことに関しては「日米交渉を大事にしていると同時に、自分のリーダーシップで最後は決めるというメッセージだ」と分析。首脳間の交渉時期として、5月の大型連休後半や6月の先進7カ国首脳会議(G7サミット)などの可能性を問われ、「いろいろな機会を捉えて一番いい結論が得られるよう最大の努力をする」と語った。