トランプ関税、影響限定的 2025年03月27日 14時31分
SBI証券投資情報部長・鈴木英之氏
日経平均株価は6月末まで3万6000~3万9000円のレンジ内で推移するだろう。トランプ米大統領は輸入車への追加関税を発表したが、まだ政策の全体像は不透明だ。4月2日に公表予定の相互関税の大枠が分かれば、あく抜けし指数はやや上振れそうだ。関税が幅広い国に課された場合、輸出競争力が日本だけ低下するわけではなく、影響は限定的だろう。
日本は他国より対米直接投資が多く、これまで工場を建設し現地生産を進めてきたことが支えになりそうだ。リスク要因はトランプ関税の影響で米経済が悪化し、米株が急速に下落することだ。
目先の注目は日米の企業決算だ。トランプ関税の不確定さから必要以上に慎重な業績見通しが示されれば株価の押し下げ要因になりかねない。関税の不透明さが晴れない限り上値追いは難しく、日経平均が再び4万円を回復するのは早くても2025年度末になるだろう。