〔NY金〕3日続伸、2651.70ドル(20日) 2024年11月21日 05時36分
【ニューヨーク時事】20日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、ウクライナ情勢の緊迫化を背景に安全資産としての金への買いが継続し、3営業日続伸した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は、前日比20.70ドル(0.79%)高の1オンス=2651.70ドル。
英メディアによると、ウクライナ軍は20日、英国が供与した長距離巡航ミサイル「ストームシャドー」を初めてロシア領に撃ち込んだ。ウクライナ軍は前日には、米国製長距離ミサイルでロシアを攻撃したばかり。また米メディアは19日、バイデン米大統領がロシアの侵攻を受けるウクライナに対人地雷を供与することを決めたと報じた。
これに対しロシアのプーチン大統領は19日、核兵器の使用条件を示した核ドクトリン(核抑止力の国家政策指針)を改定し、ウクライナを軍事支援する欧米などの各国も核を含む攻撃の対象になり得ると警告した。市場ではウクライナ情勢が一段と緊張することに懸念が拡大。安全資産としての金への需要が高まった。
米連邦準備制度理事会(FRB)が12月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを見送るとの観測が一部で浮上する中、物価安定重視のタカ派として知られるボウマンFRB理事は20日の講演で、インフレ鈍化進展が「停滞しているようだ」との見解を明らかにしたが、金塊相場の反応は限られた。