〔NY石油〕WTI続伸、79.26ドル=1週間ぶり高値(9日) 2024年05月10日 04時51分

 【ニューヨーク時事】9日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、中国の需要期待や米原油在庫の急減を受けた需給引き締まり観測が支援要因となり、続伸した。米国産標準油種WTI6月物の清算値(終値に相当)は前日比0.27ドル(0.34%)高の1バレル=79.26ドルと、中心限月の清算値ベースで4月末以来約1週間ぶりの高値水準。7月物は0.24ドル高の78.80ドルだった。
 中国税関総署が9日公表した統計によると、4月の同国の原油輸入は前年同月比5.45%増の4472万トンとなった。世界最大の原油輸入国である中国の需要拡大への期待が広がり、原油買いが先行。中盤から利益確定の売りが出やすかったものの、相場の下値は堅かった。
 米原油在庫の大幅取り崩しもなお買い材料視されている。米エネルギー情報局(EIA)が8日公表した週間在庫統計(3日までの1週間)では、米原油在庫が前週比140万バレル減と予想(110万バレル減=ロイター通信調べ)を上回る取り崩しとなり、需給引き締まり観測が再燃した。
 米労働省が9日発表した週間新規失業保険申請件数は2週連続で悪化した。3日公表された米雇用統計に加え、労働需給の軟化を示す結果を受け、市場の年内利下げ開始への期待を後押しし、米経済成長とエネルギー消費が促されるとの連想につながった。
 ▽ガソリン=3日ぶりに反発した。中心限月6月物の清算値は1.00セント高の1ガロン=254.18セント。
 ▽ヒーティングオイル=5営業日続伸。6月物の清算値は0.15セント高の1ガロン=247.76セント。

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