〔東京外為〕ドル、155円台半ば=介入警戒感から上値重い(9日正午) 2024年05月09日 12時10分

 9日午前の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、介入警戒感から1ドル=155円台半ばで上値の重い展開となっている。正午現在は、155円59~60銭と前日(午後5時、155円32~33銭)比27銭のドル高・円安。
 前日の米国市場で長期金利上昇を受けドルが底堅く推移した流れを引き継ぎ、東京時間は155円50銭台で始まった。午前9時前に公表された4月開催の日銀金融政策決定会合の「主な意見」で、政策委員から「円安を背景に基調的物価上昇の上振れが続けば、正常化ペースが速まる可能性は十分ある」などの意見が出されていたことが分かり、「政策修正への思惑から円買いが強まった」(邦銀)とされ、午前9時すぎには、155円15銭近辺まで水準を切り下げた。
 その後は、時間外取引で米長期金利が上昇傾向となったのに加え、仲値にかけては「国内輸入企業によるドル買いも入った」(外為ブローカー)ことから、午前10時前には155円65銭近辺まで上昇した。
 ただ「155円台後半に達すると政府・日銀による介入を警戒する向きが増えてくる」(先の邦銀)といい、上値の重さが意識されている。市場関係者は「15日発表の米消費者物価指数(CPI)の内容を確認したい向きが多く、それまでは積極的に動けない」(国内証券)とみており、午後は狭い値幅での推移となりそうだ。
 ユーロは、朝方に比べ対円で小高い。対ドルでは小動き。正午現在は、1ユーロ=167円21~25銭(前日午後5時、166円77~79銭)、対ドルでは1.0747~0747ドル(同1.0738~0738ドル)。

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