年末にはFF金利3.4%に=FOMC見通し中央値 2022年06月18日 14時06分

[ゴールデンチャート社] 2022年6月17日

 米連邦準備制度理事会(FRB)は6月15日、フェデラルファンド金利(FF金利)目標レンジを1.5~1.75%に引き上げる決定を発表した。また同日、FOMC参加メンバーが提示した経済見通しおよびFF金利見通しを公表した。

 今回発表された見通しは、前回の3月時点から大きく修正されている。2022年のGDP成長率は、1.7%(3月は2.8%)に下方修正され、PCEインフレ率は、5.2%(3月は4.3%)と上方修正されている。FF金利の見通しの中央値は、2022年末には3.4%(3月は1.9%)と大きく上方修正されている。FF金利見通しのドットプロットは、丸みを帯びた形状となりプロット位置も3月時点に比べ上方にシフトしている。参加メンバーの見通しが3月時点の分散から集束に変化し、2022年中に大幅な利上げを立て続けに実施、2023年はそれを維持ないしは漸増させていくように見える。この先暫くは、3%~4%台の水準が続くことを示唆している。



 FRBは難しい金融政策の舵取りに直面している。前回の経済見通しが公表された3月下旬の時点から米国経済を取り巻く環境が大きく変化している。ロシアのウクライナ侵攻、原油価格の高騰、中国のコロナウィルス感染対策によるロックダウン、サプライチェーン改善の遅れなど、米国の金融政策だけでは対応できない難問が並んでいる。そしてインフレ率は依然として高止まりし、ピークが見えない状況が続いている。

 パウエル議長は6月15日の記者会見で、「労働市場は依然として健在で、経済成長率は鈍化の見通しとなっているもののなお強靭であり、利上げに耐えうる」と主張している。また今後の利上げのペースと幅については、「本日の75bpの利上げは明らかに異例の大きさであり、このような規模の利上げが頻繁に行われるとは思っていない。本日の時点では、次回会合で50pbまたは75pbの引き上げを行う可能性が極めて高いと思われる」との見通しを述べている。今年中のFOMCはあと4回の開催(7月下旬、9月中旬、11月上旬、12月下旬)が予定されている。

(H・N)


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