5月4日、FRB声明=0.5%の利上げ、保有資産の縮小開始を決定 2022年05月05日 09時02分

米連邦準備制度理事会(FRB)は、5月3日、4日のFOMCにおいて決定した金融政策について声明を発表しました。

  • フェデラルファンド金利の目標レンジを3/4から1%に引き上げることを決定。
  • 目標レンジの継続的な引き上げが適切であると想定している。
  • 財務省証券と政府機関債および政府系不動産担保証券の保有量削減の開始(6月1日)を決定。

FOMC声明文(全文)  2022年5月4日14時(米東部時間)発表

[日本語訳 ゴールデンチャート社]

 第1四半期の経済活動全体は小幅に低下したものの、家計の消費と企業の設備投資は堅調に推移しました。ここ数カ月、雇用の増加は堅調であり、失業率は大幅に低下しました。インフレ率は、パンデミックに関連する需給の不均衡、エネルギー価格の上昇および、より広範な物価上昇圧力を反映して依然として高い水準にあります。

 ロシアによるウクライナへの侵攻は、甚大な人的・経済的被害をもたらしています。米国経済への影響は極めて不透明です。この侵攻とそれに関連する出来事は、インフレにさらなる上昇圧力をかけ、経済活動の重荷となる可能性が高く、さらに中国におけるコロナウィルス感染症関連のロックダウンは、サプライチェーンの混乱を悪化させる可能性が高まっています。当委員会は、インフレリスクに高い関心を持っています。

 当委員会は、長期的な視野に立った「最大雇用」と2%のインフレ率を達成することを目指しています。金融政策のスタンスを適切に強化することで、当委員会はインフレ率が目標の2%に戻り、労働市場が堅調に推移すると想定しています。これらの目標達成を支えるため、当委員会はフェデラルファンド金利の目標レンジ3/4から1%に引き上げることを決定しました。そして目標レンジの継続的な引き上げが適切であると想定しています。さらに当委員会は、この声明文とともに発表された「連邦準備制度のバランスシートの縮小計画」に記載されているように、6月1日に財務省証券と政府機関債および政府系不動産担保証券の保有量の削減を開始することを決定しました。

 金融政策の判断に際して適切なスタンスをとるため、当委員会は引き続き入手した情報が経済見通しに与える影響を注視していきます。当委員会の目標達成を妨げる可能性のあるリスクが現れた場合、当委員会は適切に金融政策のスタンスを調整する用意があります。当委員会での政策判断にあたり、公衆衛生、労働市場の状況、インフレ圧力とインフレ期待、金融・国際情勢など、幅広い情報を考慮に入れて評価を行っています。

 金融政策決定に賛成したのは、Jerome H. Powell議長、John C. Williams副議長、Michelle W. Bowman、Lael Brainard、James Bullard、Esther L. George、Patrick Harker、Loretta J. Mester、Christopher J. Wallerの各氏です。Patrick Harkerはこの会合で補欠メンバーとして投票しました。


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FOMC声明(原文、FRB)