継続的利上げ、量的引き締め開始へ=パウエル議長記者会見スピーチ 2022年03月17日 11時35分
FOMC記者会見、パウエル議長冒頭スピーチ(要旨)
[ゴールデンチャート社] 2021年3月16日
- ロシアのウクライナ侵攻による人的被害は悲劇的であり、世界や米国の金融と経済への影響は極めて不透明である。
- 本日、当委員会は政策金利を1/4%ポイントの引き上げる決定をした。米国経済は非常に好調であり、タイトな労働市場と高いインフレ率を背景に、フェデラルファンド金利の目標レンジを継続的に引き上げていくことが適切であると予想している。また、次回会合でバランスシートの縮小開始の決定をする予定。
- 昨年の経済活動は5.5%のペースで堅調に拡大した。今年年初にはオミクロン株の急速な拡大により経済活動に若干の減速が見られたが、穏やかで短期間にとどまったと思われる。ロシアのウクライナ侵攻が経済活動の見通しを下押しするリスクとなってるが、FOMC参加者は引き続き堅調な成長を見込んでおり、実質GDP成長率予測の中央値は今年2.8%、来年2.2%、2024年には2%となっている。
- 労働市場は引き続き強靭さを示しており、非常にタイトな状態にある。雇用は今年最初の2カ月間で100万人以上増加、2月の失業率はパンデミック後の最低水準である3.8%を記録し、FOMC参加者が予測する長期的な正常水準の中央値をやや下回る水準となっている。今年末までに3.5%に低下し、その後はその水準に近い水準で推移するという予測中央値を示している。
- インフレ率は、長期的な目標である2%を大きく上回っている。総需要は堅調であり、ボトルネックと供給制約が生産の迅速な対応を抑制している。こうした供給の混乱は、国内外のウイルスの波によって悪化し予想以上に大きく、長く続いており、価格上昇圧力はより幅広い財やサービスに及んでいる。さらに、エネルギー価格の上昇が全体のインフレを押し上げている。ロシアのウクライナ侵攻に伴う原油やその他の商品価格の高騰は、米国内での短期的なインフレにさらなる上昇圧力をかけるだろう。
- インフレが目標とするレベルに戻るには、これまでの予想よりも時間がかかると思われ、FOMC参加者の予測中央値は、今年4.3%から来年2.7%、来年2.3%へと低下している。この軌道は12月の予測に比べて高く、FOMC参加者は引き続き上振れリスクを思い描いている。
- フェデラルファンド金利の適切な水準に関する予測中央値は、本年末に1.9%で、昨年12月の予測より1%ポイント高く。来年以降の2年間の中央値2.8%で、長期的な金利の予測中央値よりやや高くなっている。
- 当委員会はインフレの更なる上昇圧力へののリスクに留意し、物価の安定を回復するために必要な措置をとることを決意している。米国経済は非常に堅調であり、金融引き締めに対応する態勢は十分に整っている。
■関連記事
2022年1月26日 FOMC記者会見 パウエル議長オープニング・ステートメント
■関連情報(外部サイト)