【2022年10月27日~28日】総裁定例記者会見(要約) 2022年10月31日 16時43分
総裁記者会見要約(2022年10月31日)
1. 今回の決定内容について
- 長短金利操作、いわゆるイールドカーブ・コントロールのもとでの金融市場調節方針について、指値オペの運用も含め、現状維持を全員一致で決定
- 資産の買入れ方針に関しても、現状維持とすることを全員一致で決定
2. 経済・物価動向について
- わが国の景気の現状については、「資源高の影響などを受けつつも、新型コロナウイルス感染症抑制と経済活動の両立が進むもとで、持ち直している」と判断
- 海外経済は、総じてみれば緩やかに回復しているが、先進国を中心に減速の動きがみられる
- 物価の現状については、生鮮食品を除いた消費者物価の前年比は、エネルギーや食料品、耐久財などの価格上昇により、3%程度となっている。また、予想物価上昇率は上昇している。生鮮食品を除いた消費者物価の前年比の先行きは、本年末にかけて、エネルギーや食料品、耐久財などの価格上昇により上昇率を高めた後、これらの押し上げ寄与の減衰に伴い、来年度半ばにかけて、プラス幅を縮小していくと予想している。
- 前回の見通しと比べて、成長率については2022年度を中心にいくぶん下振れ、物価については2022年度を中心に上振れている。
- リスク要因は、海外の経済・物価動向、今後のウクライナ情勢の展開や資源価格の動向、内外の感染症の動向などで、わが国経済を巡る不確実性はきわめて高いと考えている
3.現在の円相場を巡る動きについて
- 為替介入は財務大臣の所管であり、コメントすることはしない
- 最近の円安の進行は、急速かつ一方的なものでわが国経済にとってマイナスであり、望ましくないと考えている
4.物価を巡る状況について
- 今回の展望レポートにおける消費者物価の中心的な見通しでも、今年度は3%程度となるものの、来年度以降は1%台半ばとなると予想している
- 今の時点の見込みでは、来年度でも2%を暗転的に達成できるような状況にはならないというふうにみている
- 賃金の上昇を伴うかたちで物価安定の目標を持続的・安定的に実現できるよう、金融政策運営を行っていく考え
5.来年の世界経済減速の影響について
- 海外経済の減速がわが国の輸出や生産を下押しする要因になり得るというふうに考えている
- もっとも、輸出や生産は、この供給制約の影響が和らぐもとで、高水準の受注残にも支えられて増加基調を続けるというふうにみている。さらにはインバウンド需要が水際対策の緩和等を背景に増加していくき、また、個人消費や設備投資といった国内需要も増加していくと予想され、わが国経済は海外経済の減速の影響を受けつつも、回復していくというふうに考えている。
[ゴールデン・チャート社]
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■参考資料(外部サイト)
総裁記者会見要旨(2022年10月27、28日開催分)(日本銀行)