【2022年9月21日~22日】総裁定例記者会見(要約) 2022年09月26日 17時08分
総裁記者会見要約(2022年9月26日)
1. 今回の決定内容について
- 「新型コロナ対応金融支援特別オペ」を段階的に終了しつつ、幅広い資金繰りニーズに応える資金供給による対応に移行していく
- 長短金利操作、いわゆるイールドカーブ・コントロールのもとでの金融市場調節方針について、指値オペの運用も含め、現状維持を全員一致で決定
- 資産の買入れ方針に関しても、現状維持とすることを全員一致で決定
2. 経済・物価動向について
- わが国の景気の現状については、「資源価格上昇の影響などを受けつつも、新型コロナウイルス感染症抑制と経済活動の両立が進むもとで、持ち直している」と判断
- 海外経済は、総じてみれば緩やかに回復しているが、先進国を中心に減速の動きがみられる
- 物価面では、生鮮食品を除く消費者物価の前年比は、エネルギーや食料品、耐久財などの価格上昇により、2%台後半となっている。また、予想物価上昇率は上昇している。先行きは、本年末にかけて、エネルギーや食料品、耐久財などの価格上昇により上昇率を高めた後、これらの押し上げ寄与の減衰に伴い、プラス幅を縮小していくと予想される。
- リスク要因は、引き続き、内外の感染症の動向やその影響、今後のウクライナ情勢の展開、資源価格や海外の経済・物価動向などで、金融・為替市場の動向やそのわが国経済・物価への影響を、十分注視する必要がある
3.急速な円安が与える日本への影響について
- 様々な要因があるにもかかわらず、円安が進んできたことは一方的な動きであり、投機的な要因も影響しているのではないかと考えられる。こうした円安の進行は、企業の事業計画策定を困難にするなど、先行きの不確実性を高め、わが国経済にとってマイナスであると思う。望ましくないと考えている。
4.現在の物価上昇について
- 生鮮食品を除く消費者物価の前年比は+2.8%となっている。海外からのコストプッシュ要因を除くと基調的な物価は緩やかに上昇していく認識で、7月の展望レポートから変更なし。ただ、年明け以降、コスト高の押上げ要因が一巡してくるため、来年度以降の消費者物価は、2%を下回る水準まで低下していくと予想している。
- 金融緩和を継続することが適当であると考えている。政策金利についても、現在の長短金利の水準、またはそれを下回る水準で推移するということを想定しているということであり、金融緩和を当面続けるということには全く変わりないので、当面、金利を引き上げるというようなことはないと言ってよいと思う。
5.マイナス金利について
- 現在、このマイナス金利、-0.1%のマイナス金利が何か大きな副作用というか問題を引き起こしているということはないと思う。かなり大きなマイナス金利を導入していた国もインフレ率が8%~10%というような状況になって、金利を引き上げていくという過程の中で、マイナス金利もなくなっているということで、経済・物価状況が違う国と比較して、あちらがマイナス金利がなくなったから、日本もマイナス金利をなくす必要があるということにはならないと思う。
6.為替介入について
- 為替介入の話は、あくまでも財務大臣の所管であり、私から色々なコメントをすることは差し控えたい。
[ゴールデン・チャート社]
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■参考資料(外部サイト)
総裁記者会見要旨(2022年9月21、22日開催分)(日本銀行)