【2022年6月16日~17日】総裁定例記者会見(要約) 2022年06月21日 15時12分
総裁記者会見要約(2022年6月17日)
1. 今回の決定内容と展望レポートについて
- 長短金利操作、いわゆるイールドカーブ・コントロールのもとでの金融市場調節方針について、指値オペの運用も含めて現状維持を決定
- 長期国債以外の資産の買入れ方針も現状維持を決定
- わが国の景気の現状については、「感染症や資源価格上昇の影響などから一部に弱めの動きもみられるが、基調としては持ち直している」と判断(前回の判断と変わらず)
- 物価の現状は、生鮮食品を除いた消費者物価の前年比は、携帯電話通信料の引き下げの影響が剥落するもとで、エネルギーや食料品の価格上昇の影響により、2%程度で推移するとみられる
- 日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続
2.総裁の「家計の値上げ許容」に関する発言について
- 家計が自主的に値上げを受け容れているという趣旨ではなく、苦渋の選択として、やむを得ず受け容れている、ということは十分認識している
- 企業が十分に価格転嫁できない状況が変化するには、賃金の上昇が必要であると繰り返し指摘している
- また、賃金の本格的な上昇を実現するためには、金融緩和を粘り強く続けることが必要
3.債券市場について
- 連続指値オペの実施などの対応により、わが国の長期金利は、調節方針と整合的な水準で推移している
- イールドカーブ全体を低位で安定させ、それによって経済の回復をしっかりと支えるという考え方に変更はない
4.為替市場について
- 最近の急速な円安の進行は、経済にマイナスであり望ましくないと考えている
- 為替レートは、あくまでも経済・金融のファンダメンタルズを反映して、安定的に推移することが経済にとって最も好ましい
- わが国経済にとって大事なことは、円安によって収益の改善した企業が、設備投資を増加させたり、賃金を引き上げたりすることによって、経済全体として所得から支出への前向きの循環が強まっていくこと
- 急速な為替の変動の影響について、今それが具体的に企業の設備投資等に影響が出ているわけではない
- 為替の動向については、十分に注視していく必要がある
- 為替をターゲットにして金融政策を運営することはない
5.米国の政策金利について
- 日本銀行としては、米国の経済・物価情勢やそのもとでのFRBの金融政策運営、更にはその世界経済への影響について、もちろん注視していく
[ゴールデン・チャート社]
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■参考資料(外部サイト)
総裁記者会見要旨(2022年6月16、17日開催分)(日本銀行)