米関税コスト、200億円縮小=対中国の一部停止で―コマツ社長 2025年05月26日 16時51分

インタビューに答えるコマツの今吉琢也社長=23日、東京都港区
インタビューに答えるコマツの今吉琢也社長=23日、東京都港区

 建機大手コマツの今吉琢也社長は26日までにインタビューに応じ、トランプ米政権による追加関税に伴うコストが、当初の見込みより200億円程度縮小することを明らかにした。米国が中国への追加関税を引き下げ、一部を90日間停止したためで、今吉氏は「貿易戦争になっておらず安心している」と語った。
 一方、関税コストとは別に、景気減速に伴う需要減により、全体で158億円利益が減るとの見立ては変更しない。
 コマツは当初、2026年3月期に関税コストが785億円増加すると見込んでいた。米中が今月、互いにかけ合ってきた追加関税を大幅に引き下げ、その一部を停止したことで、600億円弱に圧縮されるとみている。
 ただ、米国で生産した製品はカナダなどへも多く輸出しており、「(米加などの)交渉が決裂して報復関税となると大きな影響が出る」と警戒を続ける姿勢を示した。
 コマツの米国向け製品は、約50%が日本を含めた他国からの輸入品。米国での現地生産品も部品の一部は輸入で賄う。今吉氏は米国での増産について、「鋼材は非常に高い。自動車ほど生産が自動化されておらず、人を雇ってトレーニングするのも難しい」と、否定的な見方を示した。
 また、「建機は需要の波があり、グローバルな分業でコストを最適にする体制を築いてきた。今回、この強みをどう調整するかが課題だ」と強調。今後は米国向けの生産を中国から東南アジアの拠点に移すといった対応も検討するという。 

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