〔NY石油〕WTI続落、59ドル台(30日午前) 2025年04月30日 23時52分
【ニューヨーク時事】30日午前のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、需要先行き懸念が広がる中を、続落している。米国産標準油種WTIの中心限月6月物は午前10時35分現在、前日清算値(終値に相当)比0.69ドル安の1バレル=59.73ドル。
中国国家統計局が30日発表した4月の製造業購買担当者景況指数(PMI)は49.0と、前月から1.5ポイント低下し、景気の拡大・縮小を判断する節目の50を3カ月ぶりに下回った。一方、米商務省が同日発表した1~3月期の実質GDP(国内総生産)速報値は、季節調整済み年率換算で前期比0.3%縮小と、前期(2.4%増)から落ち込み、3年ぶりのマイナス成長を記録した。エネルギー消費大国である米中の景気懸念を強める統計内容を受け、石油需要が減退するとの警戒感が広がり、原油売りが先行。心理的な節目である60ドルを割り込む水準で推移している。
米エネルギー情報局(EIA)が午前発表した週報によると、25日までの1週間の米原油在庫は前週比270万バレル減と、市場予想(40万バレル増=ロイター通信調べ)に反する取り崩しとなった。ガソリン在庫は400万バレル減(市場予想100万バレル減)、ディスティレート(留出油)在庫は90万バレル増(予想160万バレル減)だった。需給の緩みへの警戒感が幾分後退し、買い戻しが入る場面もあったが、一時的な動きにとどまっている。