ホンダ、過半出資の公算=日産経営難で紆余曲折も―統合協議 2024年12月30日 17時11分

(写真上から)ホンダ、日産自動車、三菱自動車のロゴマーク
(写真上から)ホンダ、日産自動車、三菱自動車のロゴマーク

 ホンダと日産自動車が経営統合するに当たり2026年夏に立ち上げる予定の共同持ち株会社は、ホンダが過半を出資する方向で協議が進む見通しだ。出資比率は両社の株式時価総額などを考慮して決める可能性が高く、現状でホンダが日産を大きく上回っているためだ。ただ、日産の経営難が統合のリスクになっており、今後の交渉では紆余(うよ)曲折も予想される。
 30日の株価の終値は、ホンダが1535円、日産が480円。これを基にした時価総額ベースでは、ホンダの8兆1048億円に対し、日産は1兆7827億円と4倍以上の開きがある。また、2社の統合に合流するかどうかを25年1月末までに判断する三菱自動車は、時価総額が7778億円と3社合計の1割にも満たない状況だ。
 持ち株会社は、ホンダが社長を含む過半数の取締役を指名する権限を持つ。日産との間で25年6月までに最終契約を結ぶ予定で、今後の株価や業績などを参考にしながら両社の出資比率を判断するとみられる。3社統合が実現すれば、ホンダは経営方針の策定などで他の2社より強い発言力を持つことは間違いない。
 日産は北米や中国市場での不振が響き、深刻な経営難に直面している。再建に向け全世界で2割の生産能力と全体の7%に相当する9000人の人員を削減する方針だが、具体策は明らかになっていない。このため、ホンダは株主から統合への理解を得られるかが課題となる。
 企業のM&A(合併・買収)助言を行うレコフ(東京)の沢田英之リサーチ部長は、化学メーカーの日本触媒と三洋化成工業が19年に基本合意した経営統合を例に挙げ、日本触媒の経営悪化でその後撤回に追い込まれたと指摘。「ホンダ・日産の協議が破談する可能性はゼロではない」との見方を示す。 

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