米財政赤字、今後10年で6割増=国債金利負担膨張で―議会予算局 2024年02月08日 07時19分

記者会見する米議会予算局(CBO)のスウェーゲル局長=7日、ワシントン
記者会見する米議会予算局(CBO)のスウェーゲル局長=7日、ワシントン

 【ワシントン時事】米議会の超党派機関、議会予算局(CBO)は7日公表した予算見通しで、2034年度(33年10月〜34年9月)の財政赤字額が2兆5570億ドル(約380兆円)と、24年度の1兆5820億ドルから6割超急増するとの予想を示した。連邦準備制度理事会(FRB)の利上げに伴う国債の金利負担増が響くとしている。
 増大する財政赤字を受け、米債務の国内総生産(GDP)比率も34年度は116%と「過去最大」(CBO)になる見通し。米経済は大規模な財政出動が奏功し、コロナ禍から急速な回復を遂げたが、財政健全化への道筋は依然として描けていない状況だ。
 金利負担は24年度の8700億ドルから、34年度には1兆6280億ドルと、倍近くに膨張。国防費の1.6倍弱に達する。金利負担のGDP比率は25年度(3.2%)から「少なくとも1940年以降」(CBO)で最も高い水準で推移すると予想された。
 CBOのスウェーゲル局長は記者会見で「金利コストが赤字の主な要因だ」と明言。このほか、人口の高齢化と医療費の増加も赤字を押し上げると分析した。 

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