23年貿易赤字、9.2兆円=資源高一服で半減、輸出最大 2024年01月24日

 財務省が24日発表した2023年の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は9兆2914億円の赤字となった。赤字は3年連続だが、赤字幅は前年の20兆3295億円から半減した。資源高が一服したことで輸入額が減った一方、輸出額は過去最大となった。
 輸入額は前年比7.0%減の110兆1779億円。原油が16.1%、石炭が24.7%、液化天然ガス(LNG)が22.6%それぞれ減少した。
 輸出額は2.8%増の100兆8866億円で、比較可能な1979年以降最大となり、初めて100兆円を超えた。半導体の供給不足の解消などを背景に自動車が32.7%伸びた。
 国別の貿易収支では、対米国が8兆7249億円の黒字。自動車がけん引し、輸出額は11.0%増の20兆2668億円と過去最大となった。
 対中国は6兆6528億円の赤字となり、2年連続で赤字幅が拡大した。中国経済の減速による需要減で輸出は6.5%減少。鉄鋼が24.9%減となったほか、昨年8月の東京電力福島第1原発の処理水放出を受けた水産物の禁輸措置も背景に、食料品が21.1%減った。
 同時に発表された23年12月の貿易収支は621億円の黒字で、3カ月ぶりの黒字となった。 

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青海コンテナ埠頭に積み上げられたコンテナ=2023年7月、東京都江東区
青海コンテナ埠頭に積み上げられたコンテナ=2023年7月、東京都江東区

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