台湾総統選、与党・頼氏が当選=対中強硬路線継続へ―史上初の「3期連続政権」 2024年01月13日

 【台北時事】台湾の「元首」に当たる総統を選ぶ選挙の投開票が13日行われ、与党・民進党の頼清徳副総統(64)が当選を決めた。2期8年にわたって中国に厳しい態度で臨み、米国や日本との連携を重視してきた同党の蔡英文総統の路線が継続する。同一政党による政権が3期続くのは、1996年の直接投票による総統選が始まって以来初めて。台湾の民主主義に新たな歴史が刻まれた。
 中央選挙委員会(選管)によると、開票作業は終了し、頼氏は約559万票(得票率40.1%)、対中融和路線の最大野党・国民党の侯友宜・新北市長(66)は約467万票(同33.5%)、第3党・民衆党の柯文哲・前台北市長(64)は約369万票(同26.5%)。投票率は71.9%だった。
 13日夜、頼氏が勝利宣言し、侯氏は敗北を認めた。頼氏は「中国の軍事的威嚇から台湾を守る決意がある」と宣言した。また、「対等・尊厳を前提に、中国と交流・協力を進める」と表明した。
 医師出身の頼氏はかつて「台湾独立工作者」と自称したことがあり、中国の習近平政権が「台湾独立派」と見なし、敵視している。習政権は頼氏の当選を阻止するため、軍事的な圧力をかける一方、経済的な恩恵をちらつかせ、事実上総統選に介入してきた。頼氏の当選を受け、中国は台湾に対する圧迫を一層強めるとみられる。頼氏は、米国や日本との関係が深く、民主主義国との連携を強化する方針だ。 

その他の写真

13日、台北で、台湾総統選で当選を確実にし、記者会見する与党・民進党の頼清徳副総統(中央)(ロイター時事)
13日、台北で、台湾総統選で当選を確実にし、記者会見する与党・民進党の頼清徳副総統(中央)(ロイター時事)
13日、台湾北部・新北市で、総統選の敗北を認める最大野党・国民党の侯友宜・新北市長(AFP時事)
13日、台湾北部・新北市で、総統選の敗北を認める最大野党・国民党の侯友宜・新北市長(AFP時事)

特集、解説記事