東海など2地域、上方修正=景気判断、北陸据え置き―地方でも賃上げ機運・日銀リポート 2024年01月11日

 日銀は11日、冬の支店長会議を開き、全国を9地域に分けて景気動向を分析した「地域経済報告(さくらリポート)」をまとめた。景気判断は東海、九州・沖縄の2地域で上方修正した一方、近畿は下方修正。北陸など6地域については判断を据え置いた。賃上げに関しては「地方でも昨年よりも幾分早いタイミングで機運が醸成されつつある」とした。
 半導体の供給制約が緩和し、自動車生産の回復が続いたことなどから、東海の景気判断を「緩やかに回復している」に引き上げた。九州・沖縄は半導体関連企業などの積極的な設備投資で、「着実に回復している」に上方修正した。近畿は「持ち直しのペースが鈍化している」に下方修正。海外経済減速を受け、輸出の弱さが響いた。
 能登半島地震を受け、北陸については「緩やかに回復している」との判断を据え置きつつ、「影響を注視する必要がある」とした。日銀の植田和男総裁は会議冒頭、「地域経済への影響について今後よく見ていきたい」と語った。中島健至大阪支店長は記者会見で、ダイハツ工業の認証不正に伴う全工場停止もあり、「経済・景気にとって不透明さをもたらす要素が若干増えている」と指摘した。 

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日銀支店長会議=11日午前、日銀本店(代表撮影)
日銀支店長会議=11日午前、日銀本店(代表撮影)
日銀の支店長会議に臨む植田和男総裁(中央)=11日午前、日銀本店(代表撮影)
日銀の支店長会議に臨む植田和男総裁(中央)=11日午前、日銀本店(代表撮影)

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