特別首脳会議、16日開幕=日ASEAN友好50年、経済・安保で連携強化 2023年12月15日

 日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)との友好協力関係50周年に合わせた特別首脳会議は16日、東京都内で開幕する。岸田文雄首相とインドネシアのジョコ大統領が共同議長を務め、経済連携や人的交流の深化に向けた新たな協力の方向性を打ち出す。ASEANの一部では中国の南シナ海進出への警戒感が高まっており、首相は安全保障分野の連携強化も目指す。
 ASEAN加盟10カ国のうち、国軍がクーデターで実権を握るミャンマーを除く9カ国が参加。加盟が内定している東ティモールも出席し、16日夜の夕食会でスタートする。
 17日には、経済・安保面などのビジョンを示す共同声明と、具体策を列挙した実施計画を発表。首相は「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序のため、連携を確認するビジョンを出したい」との考えだ。経済安保分野では、重要物資のサプライチェーン(供給網)強化に向けた協力を明記する。
 今後も高い経済成長が見込まれるASEANは、中国と経済的結び付きが強い国も多く、米中対立から距離を置いている。首相は東南アジアを「自由で開かれたインド太平洋」実現に向けた要と位置付け、安保面も含めた一層強固な関係の構築を図る。
 ASEANは1967年に発足。日本との関係は、日本の合成ゴム輸出に対する懸念から73年に立ち上げた「合成ゴムフォーラム」が起点だ。
 首相は18日までの期間中、出席した全10カ国の首脳との個別会談に臨む。マレーシアのアンワル首相、ベトナムのファム・ミン・チン首相との間では「政府安全保障能力強化支援(OSA)」の供与について協議する。 

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インドネシアのジョコ大統領(右奥)らASEAN各国の首脳と写真撮影に臨む岸田文雄首相(同2人目)=9月6日、ジャカルタ(AFP時事)
インドネシアのジョコ大統領(右奥)らASEAN各国の首脳と写真撮影に臨む岸田文雄首相(同2人目)=9月6日、ジャカルタ(AFP時事)
首相官邸に入る岸田文雄首相(左)=15日午前、東京・永田町
首相官邸に入る岸田文雄首相(左)=15日午前、東京・永田町

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