個人減税、企業の賃上げ促進=防衛増税の開始時期見送り―高校生の扶養控除縮小へ・与党大綱 2023年12月14日

 自民、公明両党は14日、個人向けの減税や企業に賃上げを促す税制の強化などを盛り込んだ2024年度税制改正大綱を決定した。来年6月以降に実施する所得税・個人住民税の定額減税では年収2000万円超の富裕層を対象外とし、防衛費増額に伴う増税開始時期の決定は見送った。自民の政治資金パーティー収入問題で「政治とカネ」を巡る批判が高まる中で増税を進める議論を避けた。
 自民の宮沢洋一税制調査会長は記者会見し「日本の成長の種をまくことができた」と強調。内容は「大きな減税になっている」と述べた。防衛増税の時期については「政治状況はかなり厳しい風が吹いており、今年は決定しない」と説明した。
 総合経済対策の目玉だった定額減税は、1人当たり所得税から3万円、個人住民税から1万円をそれぞれ差し引く措置。年収2000万円超を除外するため、国会議員も対象外となる見込みだ。定額減税は1回限りだが、大綱は「賃金や物価の状況を勘案し、必要があると認めるときは家計支援の措置を検討する」として、複数年での実施や減税以外を含めた追加措置に含みを残した。 

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来年度税制改正大綱を決定し、撮影に応じる自民党の宮沢洋一税制調査会長(右)と公明党の西田実仁税制調査会長=14日午後、国会内
来年度税制改正大綱を決定し、撮影に応じる自民党の宮沢洋一税制調査会長(右)と公明党の西田実仁税制調査会長=14日午後、国会内

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