アマゾンの森林消失2割減=5年ぶり1万平方キロ以下―ブラジル 2023年11月20日

 世界最大の熱帯雨林が広がるブラジルのアマゾン地域で、2023年期(22年8月~23年7月)に推計9001平方キロの森林が失われたことがブラジル国立宇宙研究所(INPE)の調査で分かった。前期比22.4%減で、1万平方キロを下回ったのは18年期以来。それでも鹿児島県に匹敵する広さの森が、1年で消えたことになる。
 森林消失は畑や放牧地開墾のための焼き畑や、違法な資源採掘などが主な原因。切り出された木材が先進国に輸出されていたとの報道もある。
 シルバ環境相は今月9日の記者会見で「(ボルソナロ前政権による)環境保護機関の解体を受けて不法行為が広がる中、大きな挑戦だったが、(消失面積の)減少に成功した」と強調。環境保護団体グリーンピースは「(環境保護)政策再開の効果が表れ始めている」と歓迎しつつ、政府にさらなる努力を求めた。
 ブラジルでは今年1月、アマゾン経済開発に積極的だった右派のボルソナロ氏に代わり、左派のルラ氏が大統領に返り咲いた。ルラ政権は「30年までに森林伐採ゼロ」を目指し、環境保護施策を強化している。 

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ブラジルのアマゾナス州で行われる農家による野焼き=9月6日(AFP時事)
ブラジルのアマゾナス州で行われる農家による野焼き=9月6日(AFP時事)

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