食品値上げ、ラッシュ「沈静化」=11月は131品目、22年以降最少 2023年10月31日

 帝国データバンクは10月31日、食品メーカーなど主要195社の11月の食品値上げが、計131品目になるとの調査結果を発表した。4カ月連続で前年同月を下回り、月別では2022年1月以降で最少となった。同社は「約2年にわたる値上げラッシュは『沈静化』の傾向が強まっている」(担当者)との見方を示した。
 11月は、ダイドードリンコ(大阪市)が自動販売機で売る一部飲料の推奨価格を、10~30円引き上げる。宝酒造(京都市)はバーボンウイスキー「ブラントン」6品目を値上げ。日清シスコ(東京)は、シリアル「シスコーン」シリーズ5品目の価格を約16~25%上げる。家計を圧迫してきたバターや牛乳など乳製品の値上げは、1月以来10カ月ぶりにゼロとなる見通しだ。
 値上げ品目の減少について、帝国データは電気やガス代などのコストが想定を下回ったことが背景にあると分析している。値上げの影響で消費者が割安なプライベートブランドに流れる動きがある中、販売数量減少を懸念した企業が慎重姿勢に転じていることも要因とみられる。
 24年以降については、現時点で493品の値上げが判明している。昨年は10月末時点で、翌年の値上げ予定が3000品を超えていたことに比べると大幅に減少した。ただ、物流費の上昇や、賃上げ機運が高まる中で人件費の価格転嫁が進む可能性もあり、帝国データは「値上げの動きは断続的に続く」(同)と指摘した。 

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東京都内のスーパーで買い物をする女性客(AFP時事)(資料)
東京都内のスーパーで買い物をする女性客(AFP時事)(資料)

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