消費拡大へ「和牛講座」=米大と連携、調理法紹介―ジェトロ 2023年10月28日

 【ニューヨーク時事】米国で和牛の消費が伸び悩んでいる。ステーキ肉としてサーロインなど限られた部位しか使わない食習慣が一因だ。日本貿易振興機構(ジェトロ)は米大と連携し、さまざまな部位を使った調理法を紹介する「和牛講座」を開設。消費促進へ和牛の魅力を知ってもらう考えだ。
 農林水産省によると、2022年の和牛を含む牛肉の対米輸出額は約91億円。サシが入った神戸牛などのブランド和牛ブームに乗って3年間で約3倍に膨らんだ。ただ、人気はニューヨークやロサンゼルスといった大都市にとどまり、消費量は一時期の勢いを失いかけている。
 こうした状況を変えるため、ジェトロは調理学科を持つドレクセル大(ペンシルベニア州フィラデルフィア)と組んで「和牛講座」を開設。学生やシェフら計約50人の受講生に日本でなじみの深い肩ロースやスネなどを使った調理法を学んでもらっている。
 和牛は赤身の多い米国産牛と違い、「複雑にサシが入っているため、解体には技術が必要」(食肉業界関係者)といい、日本から招いた講師も和牛の扱い方を教える。講座は来月上旬までの期間限定だが、来年以降も検討しているという。
 ジェトロの担当者は「ステーキだけではなく、さまざまな食べ方や部位が全米のレストランに浸透すれば消費拡大につながる」と期待を込める。 

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オーダーカットの神戸牛=2014年6月、東京都豊島区の西武池袋本店
オーダーカットの神戸牛=2014年6月、東京都豊島区の西武池袋本店

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