バイデン氏、侵攻に「断固対応」=制裁で「関係決裂」とプーチン氏―ウクライナ情勢で応酬・米ロ電話会談 2021年12月31日

 【ワシントン、モスクワ時事】バイデン米大統領とロシアのプーチン大統領は30日、電話会談を行い、緊迫するウクライナ情勢を協議した。バイデン氏は、ロシアがウクライナに侵攻した場合、同盟・友好国と共に「断固として対応する」と制裁発動を警告。プーチン氏は「前例のない制裁を科せば、関係は完全に決裂する」と応酬した。
 ホワイトハウスなどが会談内容を明らかにした。米ロ首脳の会談は、オンライン形式で行われた12月7日以来。1カ月で2度目となる異例の会談は約50分間にわたり行われた。
 ウクライナ国境付近にロシア軍が集結する緊迫した情勢に関し、バイデン氏は会談でプーチン氏に緊張緩和を要求。米国はこれまでもロシア側に部隊撤収などを求めてきた。
 米政府高官によれば、バイデン氏はウクライナ侵攻には「経済的損失」を与えるほか、北大西洋条約機構(NATO)の軍備増強やウクライナへのさらなる軍事支援で応じると伝えた。米側は2014年のロシアによるクリミア半島併合の際の規模を大幅に上回る制裁の準備を進めている。
 一方、プーチン氏は欧米諸国による大規模な制裁が発動されれば「ロシアと欧米の関係に深刻な打撃を与える」と警告で応じた。ただ、ロシアのウシャコフ大統領補佐官(外交担当)は会談に関し「オープンで内容に富み、具体的だったので、おおむね満足している」と評価した。 

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バイデン米大統領=2021年12月27日、ワシントン(EPA時事)
バイデン米大統領=2021年12月27日、ワシントン(EPA時事)
2021年12月30日、モスクワで、当局者と面会するロシアのプーチン大統領(AFP時事)
2021年12月30日、モスクワで、当局者と面会するロシアのプーチン大統領(AFP時事)

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