賃上げ強化、家計支援=土地負担も軽減―22年度与党税制改正大綱 2021年12月10日

 自民、公明両党は10日、2022年度与党税制改正大綱を決定した。新型コロナウイルスの影響が続く中、家計や事業者の負担軽減を重視。従業員の賃上げに積極的な企業を支援する「賃上げ税制」を拡充し、住宅ローン減税は25年末まで4年間延長する。商業地向けに固定資産税の新たな軽減措置を講じる。
 自民党の宮沢洋一税制調査会長は記者会見で、「岸田内閣ができて初めての税制改正であり、『成長と分配』をどう具現化するかという最初の作業だった。大きな政策の第一歩を税制分野で支援する体制ができた」と振り返った。
 今回の税制改正による減収規模は、賃上げ税制の強化で1000億円台半ばから後半、固定資産税で450億円程度に上る見通しだ。
 焦点だった賃上げ税制は、従業員の給与や教育訓練費の増加額に応じて法人税から差し引く控除額を決める仕組みを導入。控除率は大企業で最大30%、中小企業で最大40%とする。
 住宅ローン減税は、所得税などからの控除率を現在の1%から0.7%に引き下げる一方で、原則10年間だった控除期間を13年間に延長する。控除期間を延ばすことで、中低所得層がより恩恵を受けやすくする。
 土地にかかる固定資産税は、全ての土地を対象に地価が上がっても税額を据え置く21年度の特例措置を終了。コロナの影響を受ける事業者に配慮し、22年度に限り商業地について税額上昇分を通常の半分に抑える特例措置を新たに設ける。 

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2022年度与党税制改正大綱を決定し、撮影に応じる自民党の宮沢洋一税制調査会長(右)と公明党の西田実仁税制調査会長=10日午後、衆院議員会館
2022年度与党税制改正大綱を決定し、撮影に応じる自民党の宮沢洋一税制調査会長(右)と公明党の西田実仁税制調査会長=10日午後、衆院議員会館

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